ドクターYのスマホ生活
スマホ依存症
iPhoneを使い始めてもう12年になる。当初iPhoneが出た時にはこんなに小さいと携帯電話以外にはあまり役に立たないのではないかと感じた。WEBブラウジングするには画面が小さい。文字入力するにも入力キーが小さい。とてもPCのようには使えない。PCがメインでスマホはサブになるのではないかと思っていた。しかし今では立派なスマホ依存症となってしまっている。朝のニュースはまずスマホで見る。そして気になる記事があればノートアプリのEvernoteに保存する。ちょっとした調べ物はすべてスマホでやる。開業当時は、診療中に病気について調べる時はデスクトップにインストールした「今日の治療指針」で調べていたが、今はドクター・グーグル(スマホでグーグル検索)にもっぱら頼っている。患者さんの内服薬の確認をするときには、薬の画像検索を行い表示する。いつも手元にあるのでちょっとしたことが素早くできることがスマホのメリットであり、手放せないデバイスとなっている。なるべくなら全ての作業をスマホで済ませたいが、長い文章やスライド作る時、ZoomなどのWEB会議に参加する時には画面の大きなPCを使っている。
スマホは音声入力
スマホのネックが文字入力である。若者のように素早くフリック入力できれば良いが、フルキー入力では打ち間違いがあり入力に時間が掛かる。その時に役に立つのが音声入力である。文章を書く時にスマホに向かって語りかけるのである。PCで入力するよりも喋っていた方が思考を中断することなく文章をスムーズに作っていくことができる。一時的にでも口述筆記で文章を書く作家の気持ちになれる。但しはっきりと正確に喋らないと誤変換を来すことがある。さてこの原稿もiPhoneの音声入力で書いたものである。音声入力も初期の頃に比べてかなり正確になり実用的になったと思う。思いついたことをどんどん音声入力して短い文章を作りそれを編集して作文していく。今回は文字数が2000字なので取捨選択して文章を構成している。
情報保存は「メモ」アプリ
以前は検索したネットの情報をEvernoteに保存していた。Evernoteでは保存するときにタグ付けして、必要な時に文字列やタグで検索していた。しかし、Evernoteは重いアプリなので直ぐに起動しないし、検索結果の順位付けも出来ない。一方、Apple純正メモアプリは立ち上がりが早い。メモをフォルダ分けして整理出来る。また、重要なメモはピン留めすることで上部に表示出来るので、データ参照が楽に出来る。Evernoteでタグを付けて検索するよりも、メモアプリのフォルダの中でピン留めする方が情報をピックアップしやすい。最近は、直ぐに見たい情報はメモアプリに保存し、とりあえず情報を保存する場合にはEvernoteを利用するようにしている。また、iPhoneだとiCloudを介してメモアプリのメモがPC(Mac)と共有(同期)できるので非常に便利である。iPhoneで検索した情報をメモアプリに保存すれば、PCでメモを参照しながら文章を書いていくことが出来る。
予定管理はiOS標準カレンダー
日々の予定はiOS標準カレンダーに登録している。毎朝、出掛ける前にはカレンダーを見て予定確認をしている。医療情報サイトm3のWEB講演会を登録してアラーム設定している。また、乗換案内アプリの経路検索結果をカレンダーに登録することも出来るので学会出張には便利である。iPhoneにはSiriというAI音声アシスタントがある。アラームセットや予定登録するには非常に便利であるが、まだ複雑なことは出来ない。
スマホの連絡網はLINE
仕事は電子メール、家族や仲間はLINEで連絡を取り合っている。電子メールより速いテンポで会話が出来るという点でコミュニケーションツールとしてはLINEの方に分がある。LINEは、家族、同級生、クリニックでグループを作り活用している。なお、LINE WORKSが更級医師会では理事クラスに導入されている。また、更級医師会員の連絡網としてオクレンジャーが導入されている。
財布忘れてもスマホ忘れるな
アイデアをメモしたり情報収集したり予定管理するのがスマホ、文章やプレゼンテーションを仕上げるのがPCの仕事と思う。最先端のコンピュータ技術の結晶であるスマホは、インターネットに接続すれば無限の情報空間に繋がる。スマホによる電子決済が普及すれば財布がなくても暮らしていける。スマホの快適さはオートマチックのスポーツカーに乗る生活のようだ。しかし、素早く便利なスマホは、個人情報が詰まった情報端末であり、便利さと危険が隣り合っている。
最後に忘れてならないのはCOCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)
Bluetoothを使用するので消費電力が多くなり電池寿命が短くなることや、感染者がHER-SYS(新型コロナウイルス感染者管理システム)が発行する8桁の処理番号をもらうまでに時間がかかることなどが問題とされている。目の前の患者さんが無症状の新型コロナウイルス感染者であるかもしれないため、医療者はこのアプリを入れておくことが望ましい。COCOAから接触者通知がないことを祈りつつ診療を続けている。