死生有命　富貴在天

子夏曰く、商之を聞く、死生命有り、富貴天に在り。『論語』顔淵第十二

「死生命有り、富貴天に在り」とは、死も生も自分で決めたことではなく天命であり、富や地位も天からの預かりものであるということを示した言葉です。

この言葉は、孔子の弟子である子夏が、兄弟のいない司馬牛を慰めて述べたものです。死ぬことも生きることも、富や地位も、すべて天命によって定められており、人間の力ではどうにもならないということを表しています。子夏は、司馬牛が兄弟のいないことを嘆いても、それは天命であり、どうしようもないことだと言い、自分のできることを一生懸命にやって、あとは天命に任せるように諭しています。
この言葉は、人生の不確実さや、人間の力の限界を示すものとして、古くから人々に受け継がれてきました。また、自分の努力をしてもうまくいかないことや、不幸な出来事が起こったときに、それを受け入れるための心構えを与えてくれる言葉です。現代においても、この言葉は、私たちの生き方を考える上で、重要な示唆を与えてくれるものだと思います。