地球温暖化について思うこと
2021年10月5日、地球温暖化の予測に関する「大気海洋結合モデル」の開発により、真鍋淑郎博士がノーベル物理学賞を受賞されました。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1次報告書(1990年)に博士の研究成果が引用され、地球温暖化の基礎理論とされています。英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では「グラスゴー気候合意」が採択されました。世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑える努力を追求し、地球温暖化の要因となる温室効果ガスの削減のために石炭火力発電を「段階的削減」することとされました。地球温暖化を抑えるためには化石燃料からクリーンエネルギーへの転換が喫緊の課題とされ、脱炭素社会の実現に向け、ガソリン車・ディーゼル車から、電気自動車(EV)にシフトする動きが加速してきています。また、発電時に二酸化炭素を排泄しない原発が脱炭素時代の打ち出の小槌として重要視されています。2022年1月1日、EUは原発を天然ガスとともにグリーンな投資先として認定する方針を発表しました。しかし、わが国では福島第1原発事故の後、現在33基の原発のうち10基が再稼働されています。原発建設計画はありますが住民の理解が得られず建設されていません。原発が老朽化しても廃炉とならず延命されています。地球温暖化対策として再生可能エネルギーが化石燃料に変わるエネルギーとして期待されています。わが国では2020年までに累計で原発67基に相当する約67,000MWの太陽光発電設備が導入されており、中国、米国に次ぐ世界第3位の太陽光発電大国となっています。2020年度のわが国の年間発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は21%まで増加し、その中で太陽光発電の発電量は66%に達しています。再生可能エネルギーとして地熱発電、海洋発電に期待が寄せられています。地球環境のために再生可能エネルギーの割合をさらに増やすことが望まれます。