秒速でチャット答える粋な友
2022年11月に登場したChatGPTは、人間のような自然な会話能力から大きな注目を集めました。ところが、ChatGPTが生成したテキストには誤った情報や偏見が含まれることがあります。さらに、ChatGPTは知らないことに対して平然と嘘をつくことがあるため、その信用性が低下し、一時のブームは冷めつつあるようです。しかし、ChatGPTの対人業務に対する有用性は高く、裏方として社会のシステムに組み込まれていくと思われます。
ChatGPTは、人間と自然に会話できるため、人間がChatGPTに依存する可能性が懸念されます。その結果、人間自身のコミュニケーション能力が低下する恐れがあります。AIが人間に近づくにつれて、人間のAIへの依存はさらに高まり、将来的には人類が退化するのではないかと危惧されます。
利便性、快適性を求めた文明生活にはコストがかかります。ChatGPTもその例外ではありません。膨大な量のデータ処理を行うChatGPTは、高性能なコンピューターと大量の電力を必要とします。1つの大規模言語モデルのトレーニングには、米国の100世帯の年間使用量を上回る電力が必要とされています。また、コンピューターの冷却には、大量の水を必要とする気化冷却システムが使用されています。ChatGPTが1人のユーザーから25〜50の質問を受けるたびに、500mlのペットボトル1本分の水が必要だという報告があります。
便利で持続可能な社会を維持するためには、資源を効率的に利用するとともに、そのコストにも配慮することが重要です。既にスマホから手を放せなくなり、今やChatGPTの虜になっている私ですが、無駄なく効率的にChatGPTを利用したいと思います。また、ChatGPTは、疲れ知らずに質問に答えてくれる有能な相棒ですが、その魔力に惑わされないように、常に客観的な視点を持ちたいと思います。